● Vol.259 「あんなに・・」
---------- 2009/03/12(Thu) 09:49
        夕食を囲む。
        眼の前の我が子。

        大きくなった。

        あんなに小さかったのに・・。
        よちよち歩きで
        いつも抱っこしていたのに・・。

        なんか・・。
        急に・大きくなっちゃった。

        他愛もない日常・毎日。

        母と子のやりとり。
        兄弟ゲンカ。

        後・何回この子たちと一緒に
        ご飯を食べるのだろう。
        後何回・一緒にお風呂に入るのだろう。

        やがて・この子たちは・巣立っていく。

        ごくごく日常的な家族の時間。

        この一時が・愛しい。
        大切な大切な・たからもの。



● Vol.258 「おいで」
---------- 2009/03/05(Thu) 00:24
        「おいで・・」。

        お母さんの傍らで私が
        小さなお姉ちゃんを手招きする。

        お姉ちゃんは・ひと時私を見つめた後
        お母さんに目線を移す。

        お母さんが・お姉ちゃんに微笑む。
        次いで・私にも微笑む。

        「おいで・おいで・・」。

        お姉ちゃんの目線に降りて・私は再び促す。

        すると・・。
        
        私に向かって・歩み出す。
        私の腕の中に包まれる。
        ギュッ・・する。

        母親が・安心するひと。
        母が・こころ許すひと。

        そんなひとには・お姉ちゃんは
        その小さな手を差し出す。

        お母さんが・安心だと・お姉ちゃんも安心。
        お母さんが幸せだと・お姉ちゃんもしあわせ。

        一心同体。

        こころは・ひとつ。



● Vol.257 「母子像」
---------- 2009/02/26(Thu) 11:13
        たなべクリニックのベビー室には
        一枚の絵が飾られている。

        小磯良平作 「母子像」

        明治36年(1903年)・神戸市生まれ。
        洋館が立ち並ぶ街で・自然と西洋的な空気を
        吸って・幼年期を送った小磯良平。

        その画風は・女性像を中心としながら
        西洋絵画の伝統の中に
        モダンな感覚と気品が溢れている。

        青年時代・フランス名画に感動し・画家の志を
        強めた彼は・その後フランスに留学。

        ヨーロッパを2年間遊学した彼は
        絵画技法習得よりも・各地の美術館を巡り
        巨匠達の作品を熱心に鑑賞した。
        時に・劇場で踊り子たちの舞う姿を楽しみ
        クラシックの音色に耳を傾けた。

        帰国後・小磯は・精力的に絵筆を揮う。

        独自の画境を開き・日本の洋画界に
        大きく貢献した。

        彼の作品をとても気に入っていた父が
        私に「良平」と命名した。

        彼の素晴らしさは
        父から子へ受け継がれた。

          「母子像」。

        私のお気に入りの作品である。



● Vol.256 「だって・・」
---------- 2009/02/19(Thu) 15:40
        赤ちゃんがお母さんに逢いにやって来る。

        赤ちゃんが「逢いにくる日」を決める。

        赤ちゃん自身が「赤ちゃんペースで」
        狭い産道をお母さんに守られながら
        勇気を持って突き進む。

        ゆっくり・ゆっくり・・。

        狭くて暗い産道を通って来るだけでも
        大変なのにその上に・痛い思いまでして
        やって来る。

        「どうして!?なぜ?!?
        そんな大変な思いまでして・・!?!」

          だって・・・。

        世界で一番大好きで・一番信頼していて
        一番逢いたいお母さんに・・。

        どうしても・どうしても逢いたいから・・。

        いっぱい・いっぱい
        抱きしめて欲しいから・・。



● Vol.255 「誰も知らない日本人」
---------- 2009/02/12(Thu) 18:01
        台湾にて・中国語圏の映画として
        史上最高の興行収入。

        そのヒロインを演じているのは
        日本では無名の日本人女性である。

        日本では・著名なメイクアップアーチストの
        父を持つ彼女。
        日本での芸能活動は
        親の七光りに過ぎなかった。

        ある時・台湾映画に出演する機会を得る。

        彼女の父を知る人などいない。
        周囲の人々は・彼女自身を評価する。

        人生での大きな決意。
        
        単身・台湾へ。
        中国語を徹底的に勉強。
        現地では・日本人の友人を作らず・懸命に努力。

        苦難の日々。

        自身のブログのみに本音を・中国語で語る。

        そんな折・彼女のブログが
        地元の映画監督の目に留まる。

        売れない日本人モデル・台湾男性との悲恋を
        見事に演じた彼女。

        大きな存在であった父から
        離れたくて・飛び出した日本。

        大きな父の娘としてではなく
        自分自身を評価して欲しくて
        飛び込んだ異国の地。

        「父がいたから・今の私がある」と彼女は語る。

        諦めない・・。
        
        想い続ければ・夢は・必ず叶う。



● Vol.254 「礼拝」
---------- 2009/02/05(Thu) 10:58
        昨年・突然知人が天国に召された。

        絶句・・。

        訃報に・耳を疑い・言葉を失う。

        多くの人々に愛され・慕われ
        才能豊かな魂は・余りにも突然に
        何も告げずに・遠く遠くに飛び立った。

        若くして終止符が打たれた彼の人生に
        「その日」が来る事を・・。

        彼自身が・・
        家族が・・。
       
        神様は・・ご存知であったのだろうか・・。

        あなたがこころより愛した人々は
        あなたをこころより愛した人々は

        空・気高く・想う。
        ずっと・ずっと・・。



● Vol.253 「ありがとう」
---------- 2009/01/29(Thu) 19:34
        母が寄り添う。
    
        妹が手を握る。
        弟が汗をそっと拭ってくれる。

        少し離れて父。

        『先生・有難う御座いました』

        「いやいや・赤ちゃんとお母さん
        そして家族みんなの応援のお陰よ・・」

        クリニックのスタッフである母は
        涙目で私や同僚スタッフに何度も頭を下げる。

        母が勤めるクリニックで
        母に守られ・出産した娘。

        初めて母の仕事姿をまじかに見て
        分娩に立ち会った弟・妹。

        『お姉ちゃん・おめでとう・・』
        『お母さんすごい・・ありがとう』

        誇り高き母。
        子は感動。
        そして・感謝・・。



● Vol.252 「Happy Birthday」
---------- 2009/01/22(Thu) 11:24
        たなべクリニックでは・スタッフ一人一人の
        お誕生日をみんなでお祝いする。

        「ハッピィ〜バ〜スデイ〜ツゥユゥ〜」の
        大合唱。

        「おめで・と〜う!」のコールと共に
        バースディケーキを持った主役を囲んで
        記念撮影。

        『嫌だわ〜この歳になって・お誕生日なんて』
        照れ笑いのベテランスタッフ。

        「歳を重ねていくから・更に素敵じゃない!」
        「だから・お祝いするの」
        院長からのコメント。

        記念のお写真は・後日手作りのカードと
        共に渡される。

        そこには・みんなからのたくさんの感謝の
        メッセージが添えられている。

        今年もまた・あなたのお誕生日を祝えて幸せ。

        今年初めて・あなたのお誕生日を祝えて嬉しい。

        Happy Birthday!

        おめでとう。
        ありがとう。



● Vol.251 「うぶみ」
---------- 2009/01/15(Thu) 17:05
        たなべクリニックの
        シンボルのひとつ「うぶみ」。

        私が創った造語なのです。

        うぶみは・たなべクリニックの
        中心的なシンボル。

        出産のシーンをモチーフとした
        母と子の共同作業を顕しています。

        クリニックの情報誌も「うぶみ」と
        命名しました。

        情報誌・うぶみには・・。
        私のコラム。
        患者様からのお便り。
        キッチンスタッフからのおすすみレシピ。
        クリニック行事の紹介などなど。

        投稿して下さった“うぶみっ子”達の
        お写真もいっぱい。

        みなさんとクリニックを結ぶ・うぶみ。

        うぶみを通して・みなさまに・これからも
        様々なメッセージを送り続けていきます。



● Vol.250 「関東軒」
---------- 2009/01/08(Thu) 01:20
        創業46年の老舗。
        地元でのランキング第一位の支那そばの名店。

        日曜日の昼下がり
        家族みんなで暖簾を潜った。

        「ヘイ!いらっしゃい!」
        大将の相変わらずのお出迎え
        スタッフが続いて連呼。

        いつもの盛況ぶり。
        カウンター席に辛うじて・空席が見える。

        家族四人・別々に二人ずつ着席。
        丁度・親と子で分かれ・離れて座る。

        気になる・気になる・お母さん。

        『大丈夫かしら・・こども達だけで・・』
        「大丈夫だってぇ・・」と・お父さん。

        母親の心配よそに・息子たちは・さっさと注文。

        「ほら・・注文終わってるよ」
        「こっちも早く注文しなきゃ・・
        お店も混んでるし」

        ソワソワお母さんに・催促お父さん。
        息子気になり・箸の進まぬお母さん。

        『あら・・餃子も注文したのね』
        『二人で食べてるのかしら・・』
     
        「大丈夫だってぇ!早く食べてママ!」
        お冷おかわり・お父さん。

        『帰るよ〜・早く食べてぇ〜』
        息子に背中突付かれ・慌てるお母さん。

        『ご馳走様でしたぁあ〜』
        会計済ましてくれる長男。

        「毎度・どうも〜」の大将。

        『ソフトクリーム買ってかなあ〜い?!』
        ママの提案・・。秒殺息子。

        『宿題あるし・・早く帰ろう〜!』

        ママ・・。
        今年は・あなたが成長する番だね・・。