Vol.329 「ゆで卵」
子供たちが帰って来ると・テーブルに数個。

車で外出の際・ビニール袋に入って同行。

ゆで卵。

「ちょっと・小腹が空いているでしょうから」

学校帰りの元気な男の子に・母の小さなやさしさ。

「私も・そうだったから・・」

やんちゃな女の子だった家内の帰りを・ゆで卵たちが待っていた。

出来たて・大好き長男。
半熟リクエストの次男坊。

お腹とこころに入る・ゆで卵。

母と子へ・そしてまた・母から子への小さな繋がり。
Date: 2010/07/08(木)


Vol.328 「ワ〜ルド・カップ!」
「ワールドカップ観たいだろうが・深夜だし就寝するように」

寮監長からの苦言。

消灯。
静まり返る寮。

深夜・・。

日本チームのフリーキックが・ゴールを突き刺す。

その瞬間!
寮内に響き渡る・ブブゼラの多重コール。

「こらぁあ〜!」

高鳴るブブゼラに・かき消される叱咤。

母国の戦いに・怯まぬ寮生。

青春。

イエロー・カード覚悟の応援は続く。
Date: 2010/07/01(木)


Vol.327 「お帰り!」
「お帰り!どうだったぁ」
「楽しかったぁ?」

『はい!勉強になりました』
『いっぱい・刺激を受けました』

セミナー出張帰りのスタッフと立ち話。

「おいしかった?!」
「観光も出来た!?」

『ハイ!美味しいものもたくさん食べました』
『楽しかったです!有難うございました』

「うん!良かったね!」

『それと・・』

「なに?」

『新幹線も・飛行機も初めて乗れましたし・・』

「!!」
「そ・それは・ダブルで良かったじゃん!」

『ハ・ハイ!!』

手には・みんなへのたくさんのお土産。

いっぱい勉強して・一杯刺激受けて・・。
帰って来た・あなたの笑顔に・・。

お帰り・なさい。
Date: 2010/06/24(木)


Vol.326 「お姫様」
お兄ちゃん・お姉ちゃんの立会い。
ちっちゃいお姉ちゃん・お兄ちゃんは・お父さんの腕の中。

六番目の赤ちゃんが・みんなに逢いに来る。

応援している兄姉は・分娩室もお遊戯場。
お母さんや私の周りをグルグルとおっかけっこ。

「この線から出たら・注射するよ!」

先生の号令に・一同頷く。

元気に逢いに来た。
抱きかかえる母の第一声。

『父ちゃん!次はどっちがよか〜!』

唖然・・。

私のこころに深く響く。

密かに・・謝罪。

「ごめんね・・赤ちゃん」
「先生は・勝手にあなたが最後のお姫様と思い込んどった・・」
「聞いたでしょ・・お母さんの言葉」
「幸せ・・あなたは・とてもとても幸せ」

お兄ちゃん・お姉ちゃんに・いっぱい抱っこされて
いっぱい鍛われて・いっぱい啼いて・笑って・・。

あなたは・たくさんのかけがえのないものに包まれる。

あなたの誕生に・出逢えて感謝。
Date: 2010/06/17(木)

Vol.325 「内足」
『先生・・内股ですね・・』
私の後方をついて来る新人スタッフの・小さな発見。

「うん・・内足」

私は・内股らしい。
だから・ちっちゃい頃・足が速かったと勝手に解釈している。

小学生の頃・伯父が住む東京に行く機会が訪れた。

東京・・。

当時の私にとって・遣唐使が中国に渡るくらいの大冒険だった。
ワクワク・どきドキ。

『でもねぇ〜・内足は東京行けないよねぇ〜』

「ぇえ!!!」
「内足は・東京行けないのぉお!?!歩いちゃダメなの?!?」

従姉の他愛無い一言に・疑いの余地など全く無い
田舎の純粋少年。

その日から・・。

私の密かな”内足矯正特訓”が始まった。

「内足は・東京行けない・・内足は・東京歩けない・・」
路地裏でウオーキング中の・私の脳裏を駆け巡る。

後日・・。

私の秘密特訓は・周知の事実となった。
みんなが・大笑い。

幼きこころは・少し傷ついた。
でも・内足でも大丈夫って聞いて・一安心。

だから・・今でも・・。

『先生・・内股ですね』
「そう!だから・足速かったんよ!」と・胸を張る。

あの日の私に・大きなエールを。
Date: 2010/06/10(木)


Vol.324 「ママとユニクロ」
「あら・・また大きくなってる!」
「もう・着るものがない・・」
「買いに行こう!」

息子と母のショッピング。

何を買うのか・事前に把握している子供たち。

ショップ入店。
目的地に向かって直進。

なのに・・なかなか現地到着しないお母様。

『早くぅ〜・急いでぇ〜』

寄り道多し。

「ちょっと・待って・・」
「これ!いいじゃない」

ついつい目移り。
予定外の行動。
想定外の時間超過。

『ママぁあ〜・こっち・こっち!』
『もぅう!一緒に行かん!』

ぶつぶつ・カリカリ・思春期少年。

母と息子のミス・マッチング。

それでもなお・・。
「あら・・やっぱり・これいいんじゃなぁあい!」
マイペース・ママ。
Date: 2010/06/03(木)


Vol.323 「ママとムービー」
『もぅう〜絶対行かん!二度と行かん!』。
母子で映画鑑賞帰りのカンカン息子たち。

「どうしたのぉ〜」と・父。
『聞いてぇよ!あり得なぁ〜い』

息子の言い分。
父・よ〜く分かる。

何かと・お年頃のお子様たち。
映画館でも周囲の人々の目線・雰囲気もちょ〜気になる。

そこへ”ゴーイング・マイウェイ”のお母様。
暗闇・静寂の館内で・大いに感情表現。

『もぅ〜ママぁあ!声が大きい!もう少し小さい声で笑って!』
『だから・静かに!大きな声出さない!』

息子の制止に・一時的に対応。
しかし・再び自由人・ママ。

『お父さんから注意してよ〜!恥ずかしいんだから!』
「そうだねぇ〜」

当人・母に顰蹙の感なし。

『なに?パパ!?!』
「また・・やっちゃったぁみたいだねママ」
『うん・・』

ママの頭なでなで・お父さん。
Date: 2010/05/27(木)


Vol.322 「大丈夫」
『先生!どっちか・聞いていいですかぁあ〜』

三人目をご妊娠のお母さん。
お兄ちゃんとお姉ちゃんがいる。

「男の子だよ」

『男の子!?』

お腹の中の赤ちゃんの性別を知った時の
お母さんのリアクションは・様々。

『どっちでも良かったの!』

『お兄ちゃんが喜ぶよ・先生』
『だって・キャッチボールは・二人いないと出来ないでしょ』
『おままごと遊びは・一人でも出来るから』

「な〜るほど・そっかあぁ〜・そうだね」

お母さんのすてきな考え方は
お兄ちゃん・お姉ちゃんも分かってくれるはず。

みんなが・待っててくれる。

たのしみ・楽しみ。
嬉しい・うれしい。
Date: 2010/05/20(木)


Vol.321 「天命」
「お姉ちゃん・こっちこっち」
「もうすぐだよ」

クリニックに丁度到着したお姉ちゃんを・スタッフが手招き。
赤ちゃんとお母さんが待つ分娩室へ。

お姉ちゃんは・しっかりとお母さんの手を握る。

お姉ちゃんの鼻の先で・大きな産声。

『ありがとう・お母さんうれしかったあぁ・こころ強かったぁあ』

お姉ちゃんへの労いの声。

言葉少なに・溢れる泪。

赤ちゃんが・おねえちゃんの指をぎゅっと握る。

「赤ちゃん・・おねえちゃん待ってたよ」と・私。

みんなを・みんなが包んでくれる。

ゴールデンウィークに・どこにも行けなくても良い。

睡眠不足でも良い。

何ものにも・替えがたいものがある。
至上の幸福感が・そこにはある。

私は・とても幸せである。

しあわせ・幸せ。

感謝。

感謝。
Date: 2010/05/13(木)

Vol.320 「らんなー」
松野明美さん。

マラソンランナーとして、第一線を退いた後・その持ち前の
明るさとランナーとしての経験から多くの講演依頼がある。

タレントとしても・活動している。

彼女には・二人の息子がいる。

次男には、生まれつき重い心臓病があった。
加えて彼は・ダウン症であると・医師に告げられた。

現実をしっかりと受け止められなかった。

勝負の世界に生きてきた自分。
勝ってこそ・素晴らしい人生があると考え・生きてきた。

勝たないと意味がない・・。

ダウン症と心臓病の我が子。

この子は・・人生に負けた・・と感じた。

我が子から学んだこと。

保育器の中で・懸命に頑張っている我が子。

2歳で心臓の手術に耐え・乗り越えた我が子。

「本当に生きてくれて・ありがとう」。

我が子から学んだこと。

成長もゆっくり。
失敗と成功の繰り返し。

だからこそ・成功したら、思いっきり褒める。

松野明美さんは・お子様から多くのことを学んだ。

きっと・この子が・彼女をお母さんに選んだ事には
理由があると・私は考える。

人生も・マラソンレース。

一番じゃなくて・良い。

人は・その人しか歩めない道を・進む。
Date: 2010/05/06(木)