● Vol.69 「餞の言葉に寄せて」
---------- 2005/07/21(Thu) 12:01
    新婚旅行帰りの若い二人が、
    我家を訪ねる。

    思わぬ訪問者に、家内も喜び、
    ハネムーン話に華が咲く。

    お土産に恐縮し、私も
    彼との『約束』を手渡す。

    結婚式の日取りが決まり、
    彼が一人、私の元を訪ねた。

    結婚し、夫婦となり、
    家庭を持つ彼に
   『何か一筆、書いて欲しい』
    との依頼であった。

   「じゃあ、何か考えよう」
   「ハネムーンから帰るまでに」
    と約束した。

    彼より少し前に、結婚し、
    夫婦となり、親となった
    私の思いを伝える事とした。

  『二人の少し前を歩く友人として』

    家内と共に、二人、 
    子供の寝静まった居間で
    向い合い、お茶を飲む。

    ふと思う。

    私の前に座るこの女性との
   「出会いの日」は、今思えば、
   「運命の日」であったのかも
    しれない。

    恋人時代、私が彼女に抱く
    感情は、異性としての強い愛で
    あったと感じる。

    やがて、彼女は、妻となる。

    妻となった彼女へ、
    私の内には、共に人生を歩む
    同胞の念が生まれる。

    同じ人間としての愛が芽生える。

    子供が生まれる。

    妻となり、母となった彼女に、
    子供を通じて、
    また、別の愛が生まれる。

    異性愛、人間愛、家族愛。

    共に歩む彼女に、その人生の
    節目で、様々な愛が誕生した。

    向き合い、お茶を飲む。

    二人の間に心地よい
    沈黙が漂う。

    時と共に深まり、
    こころを満たす
   「見えない何か」が
    愛情であると感じる。

    家内と喧嘩する。
    
    子供に愚痴をこぼす。

    その空気に淀む
    自分が嬉しい。



● Vol.68 「こころ揺れる」
---------- 2005/07/15(Fri) 18:03
   俯き、咽び泣く。
   小さな肩を父に
   抱かれ、一時分娩室を
   後にするお兄ちゃん。

   お兄ちゃんが、
   お母さんと赤ちゃんの
   共同作業であるお産に
   立ち会う。

   赤ちゃんが元気に
   お兄ちゃんに会いに来た。

   お母さんは、ニッコリと
   お兄ちゃんにアイコンタクト。

   はにかみ、自然と
   赤ちゃんへ寄り添う彼。
 
   兄は、赤ちゃんへやさしい
   目線で、無言のご挨拶。

   しばし、たたずむ。

   そして、数分後..
   
   彼の頬を涙が伝う。

   溢れる涙..

   彼の内の「何か」が
   絶え間なく湧き上がる。

   悲しいんじゃない。
   怖いんじゃない。

  「生命」の『うねり』が
   彼の「何か」に共鳴する。

   止まらない涙の理由を
   小学生のお兄ちゃんは、
   理解出来ないかもしれない。

   でも、全然心配ない。

   お兄ちゃんの『こころ』には、
   見えない「何か」が
   ちゃんと残っている。

  「こころ揺れる」体験は、
   彼の将来に大きな育みを
   導き出す。

   私は思う。

   この子は、絶対良い子になる。

   きっと、良いお父さんになる。

   彼の涙とこころが、
   私のこころも揺り動かす。



● Vol.67 「ささのは さあらさら..」
---------- 2005/07/07(Thu) 21:40
   今日は七夕。
   
   少し曇り空が心配。

   今年もクリニックの
   待合ホールとラウンジに
   七夕飾りを設置しました。

   診察に訪れる方、
   ご入院中のお母様。
   お見舞いに来られた方等が
   短冊にそれぞれの思いを
   綴って下さいました。

   七夕の笹飾りは、    
    短冊は、書道の
    五色の吹流しは、
    機織の上達を
    折鶴は、長寿を
    投網は、豊漁を
    表しています。

   「ささのは
     さあらさら」

   それぞれの願いが
   天高く、お星様まで
   届きますように。
   
   
「ささのは さあらさら..」

● Vol.66 「胎教コンサート」
---------- 2005/06/30(Thu) 15:33
   2階の吹き抜けのラウンジを
   ステキな音色が駆け巡る。

   プロの演奏家が奏でる音楽が
   眼前で、聴き入る人々の心を
   掴み、癒してくれる。

   まじかで聴く生の演奏は
   とても素晴らしい。

   定期的に開催している
  「胎教コンサート」を
   私自身もとても楽しみに
   している。

   お母さんの膝の上にちょこんと
   座っているお兄ちゃん。

   子供の澄んだハートに
   どう響いているのだろうか。

   音楽は、素晴らしい。
   ジャンルも年齢も問わない。

    素晴らしいものは、
    素晴らしいのだ!

    いいものは、いい!

   感動や感激に理屈はない。
   理由なんていらない。

   初めて聴く生の演奏に
   不思議と聴き入る子供達。
   
   その澄んだ眼に私は、
   魅せられる。

   拍手は、自然と沸き起こる。

   アンコールに快く、
   演奏者も応える。

   ほんのひと時の小さな
   空間での、少人数の
   コンサート。

   この時間・この空間は、
   お金には、替えられない。

   

● Vol.65 「願いは、ひとつに..」
---------- 2005/06/24(Fri) 19:59
   クリニックを訪れた
   お母様に幾度となく
   スタッフと共にご挨拶。

   「おめでとうございます」

    ご妊娠された時。

    ご出産の時。

    ご退院の時。

   妊娠・出産の期間中に
   お母様に様々なパンフ
   レットをお渡しする。 
  
   パンフレットのひとつ
   ひとつにクリニックの
   思い・信念が込められている。

    その中の四つの
    パンフレットを
    並べてみる。
    合わせてみる。

   そこには、
   あるメッセージが
   浮かび上がって来る。

   お母さん!
   もうお気づきですか?

   願いは、ひとつに..。

    熱く、尊い
    メッセージが
    そこにある。

  
「願いは、ひとつに..」

● Vol.64 「よし.よし..」
---------- 2005/06/16(Thu) 15:13
   ある一組の男女を
   お母さん・お父さんに
   選んだ赤ちゃんが
   やって来る。

   陣痛を赤ちゃんと
   お母さんが一緒に
   乗り越えている。

   見守るお父さん。

   赤ちゃんとお母さんとの
   人生最初の共同作業である
   出産をお父さんが応援。

   たなべクリニックでは、
   90%以上のお父さんが
   お産に立ち会う。

   元気に会いに来てくれた、
   一緒に頑張ってくれた
   赤ちゃんをお母さんが
   やさしく労う。

   『ありがとう..』
   母の頬を涙が零れる。

   「よし・よし..」と
   赤ちゃんとお母さんを
   あたたかく包む父の抱擁。 
   
   静かに眼を瞑り、俯く父。
   自然と涙が頬をつたう。

   そんな父を愛しく迎える母。
    
   言葉にならない思いに
   咽ぶ父をやさしく撫でる。
  
   『よし.よし..』。

     父と母と子。
   
    「いのち」の絆。
   
    「ありがとう」と
     私もこころで呟く。



● Vol.63 「ロゴマーク」って何? 〜その2〜
---------- 2005/06/13(Mon) 14:21
   たなべクリニックには、
   三つの『ロゴ』がある。

   その一つに赤ちゃんと
   お母さんをモチーフに
   したマークがある。

     『おもやい』

     私が命名。

   『うぶみ』(私が命名)
    と共にとても大切な
    思いが籠められている。

    赤ちゃんとお母さんが
    肌と肌とで触れ合い、
    互いに見つめ合い、
    語りかける。

     これこそが
    「おもやい」である。

    「まごころ」は、
     ここから育つ。

    『抱きしめる』に
     勝る愛情はない。 

    『見つめ合う』に
     勝る表現はない。

    『おもやい』は、
     原点であり、
    世代に継承される
    シンボルであり続ける。


「ロゴマーク」って何? 〜その2〜

● Vol.62 「ロゴマーク」って何? 〜その1〜
---------- 2005/06/13(Mon) 14:17
   クリニックの玄関を入り、
   左手にあるギャラリーの壁に
   たなべクリニックの『ロゴ』が
   掲げられている。

   ロゴは、ホームページ上や
   パンフレットにも掲載され、
   院内の様々な場所でクリニック
   を見守っている。

    今日は、その中の一つを
    少しご紹介しましょう。

       『うぶみ』

   「出産は、母と子の
    人生最初の共同作業である」

    『うぶみ』は、正に
    赤ちゃんがお母さんに
    「会いに来ている」
    その瞬間を捉えている。

   『うぶみ』は、壮大で尊い
    記念碑的マークである。

   クリニックのエントランスを
   抜け、エレベーターで2階へ。
 
   ラウンジに続く真っ白な大きな
   壁に描かれている「うぶみ」が
   訪れる人々を迎い入れている。

    ちょっと足を止めて..

    あなたにも「何か」を
    語りかけているかも..。


「ロゴマーク」って何? 〜その1〜

● Vol.61 「一枚の写真..」
---------- 2005/06/13(Mon) 14:27
   クリニックの待合ホールには、
  「一枚の写真」が飾られている。

   お婆ちゃんに抱っこされ、
   ニッコリ笑った赤ちゃんの
   モノクロ写真。

   写真には、文章が添えられている。

    『育児こそ世界でもっとも
     重要な仕事である。』
  
     写真と文章には、
     たなべクリニックの
     大きなとても大切な
     思いが込められている。

    抱き癖がつく程、抱っこ
    される赤ちゃんは少ない。
   
    おんぶ紐で抱っこされる
    赤ちゃんは滅多にいない。

   「歩く育児書」であった
    お婆ちゃんがいなくなった。
   
   21世紀に誕生する赤ちゃん
   へのスキンシップは、極端に
   減っている。

   『抱きしめられなければ
    子供は健やかに育てない』

   21世紀を担う赤ちゃんと
   お母さんが誕生する産婦人科の
   役割は、極めて重大である。
   
    あの写真の赤ちゃんは、
    院長の私である。
      
   写真は、クリニックのパンフ
   レットにも掲載されている。

   たなべクリニックを訪れる
   全ての人々に「写真」と
  「文章」は、とても大切な 
   メッセージを送っている。

    ほんの数秒で構わない。
    あの写真の前に立ち、
    その熱く、強い思いを
    受け止めて欲しい。


「一枚の写真..」

● Vol.60 「我家の決まり事」
---------- 2005/05/20(Fri) 21:59
    我家には、幾つかの
    決まり事がある。

    ほんの少しご紹介
    しましょう。
    
   『何処に行くにもみな一緒』

    家族全員で計画通り、
    外出する事は滅多にない、
    と言うより出来ない。

    私がドタキャンする事が
    しばし..ある、から。

    だから、たかがコンビに
    全員で行けるチャンスは、
    とても幸せな事。

   「行こうか!コンビニへ」
  
    のお父さんの号令で、
    家族みな、準備&集合。

   「何してるの?」の私の
    問いかけに念入りに化粧
    しているお母さん。

   『だって、みんなで出かけ
    るんでしょ..』

    小さな幸せでも満たされれば
    それは、とても嬉しい。

    子供と一緒にお風呂に入る。

    子供の寝る時間に一緒に
    お布団に入ってあげる。

    子供の眼はキラキラ。
    満面の笑み。
    
    子供は自分の両サイドに
    いる父・母の顔を何度も
    何度も繰り返し覗き見る。

    両親の間に挟まって眠る
    幸福感に浸り、深い安心感に
    包まれて、夢の中へ..。

    日常の小さな出来事。

    でも、そこに幸せは
    た〜くさん散りばめられている。

    夢の中の子供を抱きしめる。
    夢の中へ、小声でやさしく
    話しかける。

    幸せは、お金で買えない。
    時間も買えない。

    すぐ傍に幸せは隠れている。