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たなべりょうへいの言葉

ブログ

Vol.65「も~ぅ!勘弁してよ~」


  結婚式・結婚披露宴に

 ご招待頂く機会がある。

 

 親族・知人・そして、

 クリニックのスタッフ。

 

 身内のようなスタッフの

 披露宴に参加できる事は、

 とても幸せ。

 

 ご縁があって、

 私のクリニックに就職。

 

 共に頑張ってきた彼女達からの

 招待状は、言葉無く嬉しい。

 

 学生時代より知る、

 彼女らの歴史。

 

 人としても成長していく姿に、

 私自身、父・長兄のような

 感覚で、感慨深いものがある。

 

 いつになく、家内と二人、

 宴の後の帰り道は、

 こころ満たされる。

 

 その余韻に妻は、酔いしれる。

 

 たくさん、た~くさん、

 溺れる程に酔いしれる。

 

「でた~、ママの病気!」

 

 帰宅するなり、着替えも

 そこそこに..

 

『マイ・ウェディング!!』

 写真集・オープン!

  ビデオ・スイッチオン!

 

『ねえ~ねぇ~、ちょっと見て~』

 

 スタッフの可愛いウェディング姿を

 自分の過去の栄光と

 ダブらせちゃうママ。

 

「えぇ~、写真全部見るの~!?」

 

「ビデオぜ~んぶ最初から~?!」

 

 やさしいパパは、オールナイトで

 お付き合い。

 

 最近は、子供までが巻き添え

 くって、被害者増大。

 

『パパとママの結婚式の写真よ~』

『ママ、キレイでしょ~う』って、

 

 睡魔が襲う子供達に説明するの、

 止めよう..

 

 家内とスタッフの結婚式に

 招待されるのは、とても幸せ。

 

 でも、帰って、

『カンバック!

 マイ・ウェディング!!』攻撃は、

 

 勘弁して~..

 

 せめて、被害者は、

 お父さんだけに..

 願います。

 

Vol.64「ごきぶり」と「かべちょろ(やもり)」


 誰だって、苦手なものがある、

 はず..。

 私は、ごきぶりは嫌。

 

 万が一、自宅で

 ゴキブリを発見したら、

 まず、子供を呼ぶ。

 

「お母さんをすぐ、呼んでおいで!」

 

 私は、ゴキブリと格闘しない。

 

 なぜなら、勝つか・負けるか、

 真剣勝負!

 

 私の勝利の瞬間、

 ゴキブリは、見るも無残な姿に

 変わり果てるから..。

 

 そこで、仕事人登場!

 

 お母さんは、ちょ~すごい!

 くるくるっと新聞紙を丸めて、

 プロ級の力加減で、ちょいと

 一叩き。

 一瞬、気絶したかのような

 ゴキちゃんをさっと拾い上げ、

 家の外へ。

 

 実に素早い職人芸、

 あっぱれ、あっぱれ!

 

 かべちょろも気持ち悪い。

 夜中にオシッコ..

 寝ぼけ眼の私の足元に、

 なんと!

 かべちょろが..。

 

 速攻で、トイレのドアを閉め、

 隙間を新聞紙で塞ぎ、

 張り紙一枚。

 

「只今、トイレ使用禁止!

 かべちょろ出現」

 

『も~、何してるの?!

 お父さんは..』と、

 

 勇敢なお母さんは、

 さっさと、トイレの中へ..

 

 密室でかべちょろと対面しても

 ぜ~んぜん、平気。

 

 速攻、問題解決!

 

「お前と結婚してホントに

 良かったぁ~」って、

 思わず、マジ顔で告白。

 

『私だって、嫌いなのよ、

 お父さんが退治しないから』

 

『私もお父さんのせいで、

 強くなったのよ』って、

 

 ちょっと、不機嫌なお母さん。

 

 でも、良かったぁ~。

 

 今日も安心。

 

 ありがとう、ママ。

 

Vol.63「母性」と言う名の涙


 妊婦健診で、ベットに

 横になるお母様。

 

「検診」は、

『赤ちゃんとお母さんとの

 面会日』なのです。

 超音波画面で動いている

 愛しい我が子を楽しげに

 見つめている。

 

 笑顔がこぼれる。

 我が子との再会に

 楽しい会話が溢れる。

 

 そして、沈黙..

 目頭が熱くなる。

 スタッフがそっと、

 手渡すテッシュで

 目頭を押さえる。

 

 笑顔交じりの涙が

 お母様の頬を伝う。

 

 妊娠後半期に、

 実際に分娩室に入る。

 

「お産の体位・準備練習」を

 スタッフと共に行う。

 

 キューピー人形を使った

 スタッフの説明。

「こうやって、赤ちゃんが

 お母さんに会いに来て

 くれるんですよ」と、

 手渡されたキューピー人形を

 自然と抱きしめる。

 

 見つめ、人形の頭を

 愛しげに撫でるお母様。

 

 しばしの沈黙の後、

 笑みを浮かべた頬に

 涙が伝う。

 

 まだ見ぬ我が子を

 こころの中で抱きしめる。

 

 その体温をこころで感じる。

 

 親として選んでくれた、

 もうすぐ会いに来てくれる

 赤ちゃんに

 

  言葉ではなく、

 『母性』と言う涙で

  感謝する。

 

Vol.62 「餞の言葉に寄せて」


 新婚旅行帰りの若い二人が、

 我家を訪ねる。

 

 思わぬ訪問者に、家内も喜び、

 ハネムーン話に華が咲く。

 

 お土産に恐縮し、私も

 彼との『約束』を手渡す。

 

 結婚式の日取りが決まり、

 彼が一人、私の元を訪ねた。

 

 結婚し、夫婦となり、

 家庭を持つ彼に

『何か一筆、書いて欲しい』

 との依頼があった。

 

「じゃあ、何か考えよう」

「ハネムーンから帰るまでに」

 と約束した。

 

 彼より少し前に、結婚し、

 夫婦となり、親となった

 私の思いを伝える事とした。

 

『二人の少し前を歩く友人として』

 

 家内と共に、二人、

 子供の寝静まった居間で

 向い合い、お茶を飲む。

 

 ふと思う。

 

 私の前に座るこの女性との

「出会いの日」は、今思えば、

「運命の日」であったのかも

 しれない。

 

 恋人時代、私が彼女に抱く

 感情は、異性としての強い愛で

 あったと感じる。

 

 やがて、彼女は、妻となる。

 

 妻となった彼女へ、

 私の内心は、共に人生を歩む

 同胞の念が生まれる。

 

 同じ人間としての愛が芽生える。

 

 子供が生まれる。

 

 妻となり、母となった彼女に、

 子供を通じて、

 また、別の愛が生まれる。

 

 異性愛、人間愛、家族愛。

 

 共に歩む彼女に、その人生の

 節目で、様々な愛が誕生した。

 

 向き合い、お茶を飲む。

 

 二人の間に心地よい

 沈黙が漂う。

 

 時と共に深まり、

 こころを満たす

「見えない何か」が

 愛情であると感じる。

 

 家内と喧嘩する。

 子供に愚痴をこぼす。

 

 その空気に淀む

 自分が嬉しい。