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たなべりょうへいの言葉

ブログ

Vol.70「○×相談所」


 テレビ画面の向こう側では、

 様々な番組が踊っている。

 

「発掘!○△大じてん」、

「行列の出来る○×相談所」など、

 

 放送の翌日には、その内容で、

 スタッフルームに華が咲く。

 

 子供も例外ではない。

 

 自宅に帰ると、

 なにやらダンボールで

 作ったテーブルが二つ。

 

「○×相談所」ごっこ。

 

 小さな先生が、座っている。

 

『相談者の方、どうそ!』

 私をテーブルに招き入れる。

 

『今日は、どんな相談ですか?』

 

『何でも相談して下さい!』

 

 ちょっと偉そうな先生。

 

「実は、息子が私(父)との

 約束を守らないんですよ」

 

「全然勉強しないし、

 塾は、サボるし、どうしたら

 良いでしょうか?」

 

 予想外の相談に少し

 困惑気味の大先生。

 

『ウゥ~ン?』

 

 腕組みして、少々考え込む先生。

 

「先生、息子は誰のために勉強

 してるんでしょうかねぇ~?」

 

 ちょっと、上目遣いに

 相談者にアドバイス。

 

『勉強は、自分のために

 してるんだから..。

 ちゃんと分かってますよ。

 お父さんとの約束を守りますよ』

 

「大丈夫でしょうか?」

 

『大丈夫!』

 

「ホントに大丈夫??」

 

『ハイ!!』って、

 先生から子供の顔に。

 息子が自らの問題に

 自らが考え、

 自らが答えを出す。

 

 物事には、すべてをおいて、

 意味が有る。

 

 無意味なものなど無い。

 

 子供は子供のレベルで、

 しっかり考える。

 考えられる。

 

「先生、また、相談に

 乗って下さいね!」

 

『良いですよ!』って、

 ニッコリお返事。

 

Vol.69「あぁ~、ぁあ~」


 スタッフルームに山積みに

 されたダンボールの軍団。

 

「今度は、なに~?!」

 

『先生、この水はですね!

 代謝を促進して、脂肪の吸収を

 抑えるんですよ!』

 

 って、意味不明の力説と、

 根拠の無い自信に満ちた顔。

 

『みんなで注文すると、更に

 安くなって良いんですよ』

 って、ちょっと興奮気味。

 

 食前・食虫・食後にペット

 ボトル片手にランチタイム。

 

 訳の分からん水飲むために

 食事してる感じ。

 

 集団心理。

 

 でも、長く持って2~3週間。

 

 早い人は、僅か数日で脱落。

 

 1ヶ月もすれば、

 跡形も無く消失。

 

 数ヵ月後、謎のダンボールが

 再びスタッフルームを占拠する。

 

『先生、今度の○△はですね!

 ちょっと違うんですよ!!

 あのですね!!!』

 

 って、「何が違う」のか、

 私には、ぜ~んぜん分からない。

 

「ダイエット」という妄想。

 

 ちょっと、ポチャってしてる方が

 健康的でステキですよ。

 て、言うか、全然太ってないよ!

 

 体重計に1日に何度も乗りたい

 気持ちもわかるけど、

 その度に一喜一憂するのは、

 止めましょう。

 

 健康一番!

 

 大声出して、お口大きく

 開けて笑うのが一番!

 

 みんな、とっても

 ステキですよ!!

 

Vol.68「うちのかぁ~チャン」


 子供が夢の中にいる深夜、

 家内と二人で、ちょっと

 ティータイム。

 

 ちょうど良い沈黙と

 他愛ない会話の中で、

 眼前の私に、妻が一言。

 

『ねぇ~、生まれ変わっても

 また、結婚しましょうね..』

 思わぬ、予想外!?の

 深夜の爆弾発言に

 こころと身体がとっさに反応!

 

 飲みかけのお茶を噎せて、

 鼻から出て来た。

 

「えぇ~、一度きりと思うから

 頑張ってるのに..

 二度はちょっと..」

 

 思わず、即答・迷回答!

 しちゃったわ・た・し。

 

 私は、いつも人との出会いに

『一期一会』を感じる。

 

 家内との出会いも、

 何の接点も無かった二人の

 誕生の歴史を紐解くと、

 幾つもの共通の場所・人物が

 居る事が解った。

 

 人との出会いとは、

 不思議なものと思える。

 

 家内の前世は、私の母・姉・妹、

 あるいは娘で

 あったのかも知れない。

 

 そう感じる事がある。

 

 不思議な人・変なひとである。

 

『ねぇ~、お父さん、見て~これ!』

 

『これねぇ~、○×だってぇ!

 ○×△が入ってて、健康に

 とっても良いんですって!』

 

 と、熱心に受け売りの知識で

 熱弁を揮う彼女。

 私への説明の最中、

 一瞬、我に帰る妻。

 

 自分の夫が医者である事に気付く。

 次の瞬間、熱弁も急に尻すぼみ。

 

「あのねぇ~、最近、私が

 あなたに勧めたアレ!

 あなたがずっと使っているアレ!

 この商品より、もっと良いもの

 なんだよ!」

 

『あら!?そうなの?!

 知らなかった、ゴメンナサイ』

 

 こんな事は、日常茶飯事。

 

『あら、お父さん、今日は

 食が進まないのね..』

 

「だって、お手元(箸)が

 無いもん!」

 

『あら、ゴメンナサイ』

 

『あら、嫌だ私、ケータイ

 何処に置いたかしら?』

 

「手に持ってるの、

 ケータイじゃないの?!」

 

『あら、嫌だ、私だったら..』

 

 最近、私が初対面の人に

 家内や子供達を紹介する際、

 こう、ご説明する。

 

「長男で御座います、

 二男で御座います。

 そして、ちょっと年の離れた

 長女で御座います。

 この長女が一番、

 手が掛かります」って..。

 

 そんな折、妻の爆弾発言から数年、

 

「また、生まれ変わっても

 結婚しようか」の私の問いに

 

『ノーコメント..』

 のカアチャン。

 

Vol.67「片思い」


 『生涯、片思い』

 

 それでも構わないと

 私は、思っている。

 

 誰に?!片思いなのかって....

 

 それは、赤ちゃんとお母さんに

 ずっ~と、片思い。

 

 どんな!?片思いなのかって..

 

 たなべクリニックの

「母子手帳カバー」

「ソフロロジーのCD」

「妊娠おめでとうございます」

 パンフレットなどに

 記されている。

 

 それは、私のクリニックで、

 出会ったお腹の中の赤ちゃんと

 お母さんへの..

 最初のメッセージ。

 私からのラブレター..。

 

 ♡ ♡ ♡ ♡ ♡

『あなたのおなかの中に

 尊い命が芽生えました。

 

 赤ちゃんは、あなたを

 お母さんに選んでやって

 きてくれたのです。

 

 赤ちゃんとお母さんは、

 一心同体です。

 

 心身の調和のとれた生活を

 送ることは、お母さんから

 おなかの大事な赤ちゃんへの

 最大のプレゼントです。

 

 赤ちゃんは、お母さんに

 出会うその日をとても

 楽しみにしていることでしょう。

 

 これから、赤ちゃんと

 お母さんとの生活が

 始まります。』

 

 ♡ ♡ ♡ ♡ ♡

 

Vol.66「大きく、ゆっくりと..」


 夜間に一人、クリニックの

 3階へと上がる。

 

 静かな廊下に、お部屋から

 赤ちゃんの泣き声が微かに響く。

 

 3階のミニラウンジを抜け、

 テラスに。

 

 足を進め、そっと眼を閉じる。

 

 背筋を伸ばし、

 大きく深呼吸。

 

 微かに潮の匂いを感じ取れる。

 

 クリニックの向こう側には、

 砂浜が、海が広がっている。

 

 息を止め、顔を上げる。

 

 眼を開く。

 

 夜空に星が瞬く。

 

 大きく両手を広げて、

 ゆっくり深呼吸。

 

 夜空に向かって、くるりと廻る。

 

 おもいっきり、深呼吸。

 

 全身の力を抜く。

 

 星空と海に、囁く声で独り言。

 

 誰にも内緒。

 

 静かに、静かに..

 

 そっと、そっと..。