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たなべりょうへいの言葉

ブログ

Vol.656「バージンロード」

クリスタルガラスからの偏光線。

花嫁の入場を待つ花婿に光が届く。

開門。

ベールを纏った花嫁。

純白のドレスが会場を惹き付ける。

傍らの父の腕をそっと取り・俯いた顔を静かに上げる。

一歩。

一歩ずつ。

ゆっくりと。

父と娘は・その歩みを確かめる。

短いバージンロード。

足にハンディのある父に少しでも負担をかけぬよう娘が選んだ教会。

父もどうしても娘と歩きたかった道。

歩みは遅くとも短くとも・父と娘のかけがえのない道。

耀くバージンロード。

父の腕を取る娘の手に涙の粒がキラキラと光る。

Vol.655「お下がり」

帰宅。

部屋着に着替える。

私の部屋着は・寮生活していた息子が寮で着ていたウェア。

彼のお下がり。

夕食。

入浴。

少し肌寒い。

家内に「何かちょっと上に着るものない?」と私。

「はい・どうぞ」。

息子のお下がりのパーカー。

息子が十代の頃愛用していたウェアは・今では私の室内着。

お下がりは大活躍。

でも今では息子は私よりワンサイズ大きい。

お下がり・ちょっと大きい。

Vol.654「友」

大学卒業後初めて同窓会に出席した。

久し振りの再会をみんなはとても喜んでくれた。

何十年の時の隔たりは一瞬に溶けて・時間を忘れて語り合えた。

懐かしい。

居心地の良い空間が私や友を包む。

嬉しい。

尊い。

有難い。

掛けがえのない友に乾杯。

 

Vol.653「正統派」

映画を鑑賞した。

大作ではない。

大々的な宣伝があった作品でもない。

けれど・とても素晴らしい作品だった。

鑑賞後心地よさが残った。

大作も良いが秀作も良い。

観客動員数は然程でもないかも知れない。

しかし記憶に残る素敵な作品であった。

少数派だけど正統派。

 

Vol.652「再会」

お母さんの妊婦健診に付いて来たお姉ちゃん。

「〇△ちゃん!おはよう」と私が挨拶。

『先生!なんでで私の名前を知ってるの?!』とお姉ちゃん。

「知ってるよ~」。

「お誕生日だって知ってるよ」。

『えぇ~なんでぇ・なんで知ってるのぉお~?!?』。

傍らのお母さんは・無言でにこにこ。

「お兄ちゃんや弟くんの名前や誕生日も知ってるよ~」。

『ぇえ~なんで!なんで!!なんで知ってるの???』。

「教えな~い」。

クスクス笑うお母さん。

だってねぇ。

逢ってるよ先生と。

お母さんに逢いに来たあの時に。

Vol.651「幼馴染」

幼なじみがいる。

物心ついた頃から・よく一緒にいた。

小学生の頃・下校後寄り道して暗くなるまで遊んだ。

成長し・お互いの道を歩みだした。

友達も増え・交友関係も変化していった。

学校卒業後・次第に逢う機会も減った。

たまに逢うと彼はいつも「久し振り!元気だった?」と・にこやかに声を掛けてくる。

気付けば・彼はいつも変わらぬ距離感で私に接していた。

いつでもウェルカムで・空白の時間を感じさせない。

再会を楽しみにしている。

これからもずっとこのままで。

Vol.650「大使」

『先生おはようございます』。

ホームセンターのスタッフさんがにっこり。

『いらっしゃいませ先生』。

ランチに入ったお店の店員さんがにっこり。

『先生有難うございます』。

コンビニ店員さんがレジでにっこり。

クリニックで出逢った方々と様々な場所で再会する。

いつも笑顔をありがとう。

またお逢いしましょう。

Vol.649「晴男・雨女」

私は晴男。

家内は雨女。

時に嵐を呼ぶ女。

明日の天気予報は・曇時々雨。

明日は夫婦でお出かけ。

家内が予報通りに勝つのか。

私のパワーで曇を蹴散らすのか。

翌朝カーテンをそっと開けてみる。

雨降ってない。

出掛ける頃には・晴れ間も覗く。

快勝。

連敗の後の連勝。

家を出る時の私のドヤ顔に・妻はノーリアクション。

これからも続く曇と太陽の闘い。

帰宅頃に一雨。

勝って兜の緒を閉める。

Vol.648「一生懸命」

足が遅い。

かけっこは・いつもビリ。

でも一生懸命に走る。

音痴。

みんなから笑われる。

でも一生懸命に歌う。

ベストを尽くす。

いい加減ではない。

それがカッコいい。

Vol.647「生誕の日」

天に召された家族を想う。

命日。

仏前に合掌。

誕生日。

天国にいる家族の誕生日を細やかに祝う。

あなたが・この世に生を受けたから私たちがいる。

生誕の日。

絆を繋いだ日。

あなたの誕生日を私たち家族は・これからも大切に想う。