今日のよか

<毎週更新>良平院長のコラム

Vol.782「サポート」

5月5日晴天。

唐津くんちの曳山特別巡行が行われた。

一番曳山・刀町赤獅子の生誕二百年と改元をお祝いした特別巡行には

多くの観光客も訪れた。

幼少の頃より曳山行事に参加している私にとっても格別な一日となった。

その中車椅子で参加している曳子の少年がいた。

曳山の後ろを自らの力で車椅子で随行した。

周りには少年の父親と大人たちが寄り添う。

けれど誰一人車椅子を押さない。

「頑張れ!」。

口々にみなが男の子に声を掛ける。

中途中途に曳き山が止まる。

「喉渇いてないか」。

「暑くないか」。

みなが応援する。

巡行コースには上り坂なも下り坂もある。

少年は時折歯を食い縛り額に汗して・一度も遅れる事なく

巡行コースを完走した。

彼の強い意志をみんなは分かっていた。

「良く頑張った!」。

「偉いぞ!」。

彼には先輩たちからのたくさんの労いが飛び交う。

みなが同志。

みなが仲間。

Vol.781「ぽっちゃり」

妊婦健診中超音波検査画像に映る赤ちゃんを見つめるお母さん。

『良平先生・赤ちゃん大きくないですか?』。

「どうして?」と私。

『だって赤ちゃんのお顔まるまるしてるし』。

まるまるしてて・いいじゃない。

ほっぺたぷちぷちしてて・いいじゃない。

「痩せたんじゃない?!」って言われて喜ぶのは大人。

赤ちゃんやせたら心配でしょ。

ぷちぷちむちむちしてなくっちゃ。

まるまる赤ちゃん。

かわいい赤ちゃん。

Vol.780「ウェ~ブ」

診療前の診察室。

デスクワーク中の院長。

すると出勤してきたスタッフの声。

笑い声・明るい声・挨拶の声たちが届く。

ありがとうございますの連呼が更に続く。

耳に届く幸せな響き。

優しさと温かさに包まれる。

朝から今日も幸せウェーブ。

ありがとう。

私の大切なファミリースタッフ。

Vol.779「お帰りなさい」

『気をつけて・いってらっしゃい』。

「わかった」。

『車に気をつけてよ』。

「わかってる」。

『気をつけてね!』。

「わかってる!何度も言わなくていい」。

我が子が幼き頃。

登校の際・いつもの他愛ない母子の会話。

子供たちは成長するにつれ・少々煙たい朝の習慣。

けれどいつの日か・君たちも親となる日がやってくる。

やがて気付くだろう。

きっと分かるだろう。

親が子へ送る・想いの深さを。

『気をつけて』。

『お帰りなさい』。

元気に今日も行っておいで。

楽しい一日を過ごしておいで。

怪我なく・事故なく無事に帰って来るんだよ。

その愛の深さを。

送り続けよう。

気をつけていってらっしゃい。

お帰りなさい。

Vol.778「お姉ちゃん」

お腹の中の赤ちゃんとお母さん。

付き添いのお姉ちゃん。

お姉ちゃんは・元気にクリニックにやってくる。

『ただいま~』と飛び込んでくる。

お母さんより先にベットに横たわり・お腹出す。

『良平先生!私の赤ちゃん見て~』。

間もなく・診察室のきゅ~ぴぃちゃんたちと戯れる。

『お菓子ちょ~だい』。

「ハイ・どうぞ」と私。

『ありがとう!』。

ニコニコお姉ちゃん。

『また来るよ~』とバイバイする。

今日も元気に逢えて嬉しかった。

またね。

お姉ちゃん。

Vol.777「天国」

天国。

あるらしい。

まだ行ったことはない。

お金要らないらしい。

ブランドの服も着て行かなくて良いらしい。

高級車にも乗って行かなくていいみたい。

魂だけ持参したら良いらしい。

見栄も外見も気にしなくて良い。

ならば準備しておこう。

損得や欲に囚われず。

こころ磨こう。

Vol.776「男子たるもの」

平成生まれの男の子たち。

おしっこは便座に座ってするらしい。

体育の授業後の休み時間。

汗ばむ肌を香りつきのおしぼりタオルで整えるらしい。

ほほぉ。

ふ~ん。

男子たるもの・小便は立ってしたい。

友と並んで用を足したい。

汗はタオルでさっと拭き・額に汗しても自然乾燥待つのみ。

昭和生まれは・そうありたい。

そうであった私。

と・家内に鼻息荒く演説。

『だから・・』と妻。

「えっ・・」と私。

「そうだ!そうだぁあ~!」じゃないの。

共感してよ。

あなたも昭和の人でしょ。

Vol.775「天空」

大切な人が天に召された。

たなべを創業した祖父の時代から父・そして私と三代に渡り

支え続けてきて下さった恩人に手を合わせる日が訪れた。

その方は眠るように安らかに私の眼前に横たわっていた。

あなたは赤ちゃんの私を抱っこしていた。

その私がたなべを継承した時あなたは私の傍らに立っていた。

掛ける言葉が探せない。

弔う一言が口を割って出てこない。

こころで話す。

忠心から感謝を申し上げる。

お別れは寂しい。

天国で祖父や父があなたを待っている。

さようならは言わない。

これからも私のこころの傍らに。

合掌。

Vol.774「通りゃんせ」

お腹の赤ちゃんとお母さんと一緒にお姉ちゃんが健診に付き添ってきた。

なかなか診察室に入りたがらない。

『自分の病院だと思って・怖がっているんですよ』とお母さん。

恐る恐る診察室へ入るお姉ちゃん。

緊張。

上目遣いに警戒。

「ハイ!どうぞ」。

付き添いのご褒美のお菓子を手渡す。

にこにこお姉ちゃん。

行きはこわい。

帰りはよいよい。

また来てよ。

お姉ちゃん。

Vol.773「傾聴」

相手の眼を見る。

相手の話を良く聴く。

時折頷く。

傾聴は・とても大事。

家内からお話。

傾聴。

傾聴態度が良かったのか・家内のお話はさらに続く。

続く。

おしっこ行きたい。

ちょっと我慢。

でも限界。

トイレへ立つ。

ついてくる彼女。

トイレのドア越しに話は続く。

一旦お話終了。

入浴。

湯船に浸かる。

すると浴室のドアが開く。

家内登場。

話再開。

全裸で傾聴。

傾聴。

でもちょっと寒い。

夫婦の会話は大事。

でも・・。

少し休憩挟みながら。

適材適所でお願いします。

いつでも私は傾聴しますから。

ねっ。

奥様。