今日のよか

<毎週更新>良平院長のコラム

Vol.1079「じゃない」

「大丈夫?」って聞くと・・。
『大丈夫』って答える。
「ホントに大丈夫??」って尋ねると・・。
『大丈夫・・』と小さく返ってくる。
大丈夫じゃないよね。
大丈夫じゃないなら・・。
大丈夫じゃないって・言っていいんだよ。
甘えていいんだよ。
強がらなくていいよ。
あなたは守られているんだから。
無理しなくていいよ。
私はいつもあなたを想っているよ。

Vol.1078「大丈夫」

愛車の給油のためにガソリンスタンドへ。
『いらっしゃいませ!』。
元気なお兄ちゃんの誘導でピットイン。
『車の窓拭きは大丈夫でしょうか』。
元気な問いかけに「大丈夫です」と答える。
『大丈夫って・拭くのか拭かないのか・どっちですか』。
車内を覗き込む青年。
「?!」な私。
あなたが大丈夫?って・聞くから大丈夫って答えたのに・・。
と・こころで呟く私。
「お願いします!窓拭いて下さい」と返答。
大丈夫って・・。
よく言うよねぇ~。
よく使うよねぇ~。
”はい”とも”いいえ”とも・とれるよねぇ~。
曖昧だねぇ~。
誤解招いちゃう。
反省・反省。
気を付けよう。
大丈夫は・大丈夫じゃない。

Vol.1077「ホスピタリティ」

私たちたなべクリニックスタッフは・たなべクリニックの大使である。
院内外でも大使。
家庭でも大使。
だから・自分以外は全て顧客と考える。
スーパーで買い物。
傍で一人泣いている小さな子。
迷子らしい。
抱っこする。
家族を探す。
お母さんらしき人を見つける。
子どもも泣き止み・安堵の表情。
笑顔で別れる。
後日その方が来院。
思わず目が合うスタッフ。
改めてお礼を言われる。
外でもすてき。
中でもすてき。
私たちは大使。

Vol.1076「ロス」

あるテレビ番組を観た。
パン工場前にパンの自動販売機がある。
店頭には出せないパンを低価格で販売している。
少し形が崩れたパン。
ちょっとだけ焦げ目がついたパン。
味は同じ。
でも店頭には並ばない。
形が不揃いなきゅうりたち。
袋に詰められ・安価で店頭に並ぶ。
味はもちろん美味しい。
いつも自動販売機のパンを購入する常連客。
「味は同じだし・形は気にしない」。
笑顔でインタビューに答えていた。
いつの頃からか・見た目重視となった。
考え直そう。
私たちは・命を頂いて生きているのだから。

Vol.1075「35年前」

35年程前。
私はある国立病院に勤務していた。
歴史のある建物だった。
長い渡り廊下があった事を記憶している。
当時独身だった私は・良き医師になりたくて日々精進を重ねていた。
幾度となく・暗い渡り廊下を行き来していた。
そして今・その病院に息子が勤務している。
機会があり病院を訪ねる事が出来た。
息子に案内され・記憶を辿りながら院内を歩いた。
病院の殆どは新しく建て替えられ・立派な医療施設となっていた。
長い渡り廊下は残っていた。
あの日・あの時。
一生懸命頑張って・往来していた渡り廊下。
今息子と共に並び歩く。
あの日・あの時の私に伝えよう。
あなたは再び・この長い廊下を大切な家族と共に歩む事を。

Vol.1074「新年」

新しい年が明けた。
今年もどんな素晴らしい出逢いが待っているのか。
ワクワクする。
素敵な一期一会が訪れるだろう。
嬉しい。
楽しい。
有難い。
感謝・感謝。

Vol.1073「トップランナー」

私の地元唐津は・ヨット競技が盛ん。
オリンピック選手を輩出し・メダリストを生んだ。
私の知人にもヨット選手がいる。
「1年に何日間ぐらい練習するの?」と問うと『365日』と返答。
驚愕した事を覚えている。
マラソンの金メダリストが手記にこう記していた。
『今日は雨だ・・走らなくていい』。
新記録達成の水泳選手がインタビューに応えていた。
「今まで・やめたいと思ったことはありますか」。
『もちろん!何百回もあります』。
トップランナーでさえ・葛藤と苦悩がある。
人知れぬ努力。
鍛錬。
そこに人は・こころ動く。

Vol.1072「最後尾」

人気のテイクアウト店。
評判のお店。
店舗前に商品を買い求める長い列が出来ている。
私も並ぶ。
最後尾。
待ち時間50分の案内を受ける。
50分のアナウンスを受けて・並ばずあきらめて立ち去る人。
中途まで並んで・辞退し列から離れる人。
長い時間を費やし・商品を手にする人。
様々。
それぞれ。
人間模様。

Vol.1071「共に」

私と同年の患者様がいる。
その方のお産に私は立ち会った。
赤ちゃんを取り上げた。
その赤ちゃんが成長し・妊娠し・そのお産にも私は立ち会った。
同年の患者様が孫を連れて来院された。
共に。
共に年月を重ねる。
共に歩む。
今までも・これからも。

Vol.1070「私宛」

クリニックに荷物が届く。
私宛。
着払い。
支払う。
開けてみる。
美味しそうな名産品。
『クリニックにあなた宛てに荷物が届くから・支払い宜しくね』。
そう言えば・そんな事家内が言っていたような。
大事に抱えて帰宅。
二日後。
そうだった。
あれ食べなきゃ。
忘れてた。
『もう食べちゃったわよ・全部』。
にっこり奥さん。
俯くわたし。
食べたかったのに・・。
こころで呟く私がいる。